Answer

第1問  13枚の金貨  の解答

まず、13枚を4+4+5 に分割する。
第一回目はこの4枚の組について比較する。
(1)釣り合った場合  偽物は残りの5枚の中にある。今比較した8枚は本物である。
本物と分かった8枚の中から3枚を任意に選び、残った5枚の中から3枚を任意に選ぶ。
この3枚の組について二回目の比較を行う。
(1-1)釣り合った場合  偽物は残りの2枚の中にある。この内の一枚をとり、本物と分かっている金貨と三回目の比較を行う。
(1-1-1)釣り合った場合 偽物は残した1枚であり、発見は出来るが重いか軽いかはわからない。
(1-1-2)釣り合わなかった場合  その一枚が偽物である。天秤の結果により重いか軽いかがわかる。
(1-2)釣り合わなかった場合  偽物はこの3枚の中にあり、天秤の結果により、偽物が重いか軽いかが判明する。
この内の2枚を選び、三回目の比較を行う。
(1-2-1)釣り合った場合 偽物は残した一枚。
(1-2-2)釣り合わなかった場合  (1-2)の結果が重ければ重い方、軽ければ軽い方が偽物である。これで一回目に釣り合った場合は解決した。
(2)釣り合わなかった場合  偽物は比較した8枚の中にある。ここで重かった方(天秤が下がった方)の4枚をH1,H2,H3,H4、軽かった方の4枚をL1,L2,L3,L4とする。 (H1,H2,L1)という組と、(H3,H4,L2)という組を作り、二回目の比較を行う。
(2-1)釣り合った場合  偽物はL3,L4のどちらかである。このグループに偽物があればそれは本物よりも軽いから、三回目にこの2枚を比較する。軽い方が偽物である。
(2-2)釣り合わなかった場合  釣り合わなかったのだからどちらかが重いので、必要なら名前を付け替えてH1,H2,L1の方が重いとする。この場合、H1,H2の何れかが偽物で本物よりも重いか、反対のL2が偽物で本物よりも軽いかの何れかである。したがって、3回目にH1,H2の比較を行う。
(2-2-1)釣り合った場合  L2が偽物で、本物よりも軽い。
(2-2-2)釣り合わなかった場合  重い方が偽物である。

 

なお、随分以前にこのパズルについての一般論をまとめた事がある。興味のある方は下記からダウンロードしてください。

 

第2問   うそつき村と正直村 の解答   「ここはあなたの村ですか?」 と質問する。(「はい」なら正直村、「いいえ」なら嘘つき村)
 
このパズルに出会ったのは、小学生か中学生のころである。このように、嘘つきと正直者が登場するパズルは結構多く、一つの典型とも言える。
ある質問Qに対し、その真偽が確定している(嘘つきにも正直者にも共通)場合、両者の答は必ず逆になる。例えば、「ここは正直村ですか?」
という質問は、真偽の確定している質問である。従って、必要なのは両者にとって真偽が逆になる質問Qである。上記解答の「ここはあなたの村
ですか?」という質問に対しては、そこがどちらの村であっても、両者にとってその真偽は逆になる。つまり
正直村で正直者に尋ねると  真偽は 真   返事は  はい
正直村で嘘つきに尋ねると  真偽は 偽   返事は  はい
嘘つき村で正直者に尋ねると 真偽は 偽   返事は  いいえ
嘘つき村で嘘つきに尋ねると 真偽は 真   返事は  いいえ
となるわけである。
このような都合のよい質問が見つかれば、それがスマートである。しかし、実はこれが唯一の答ではない。というのは、相手が正直者でも嘘つきでも、必ず質問Qに対しては真実を答えさせる方法が知られているからである。今知りたい質問Qを      Q:ここは正直村ですか?
とする。実際にはこれに「あなたは「はい」と答えますか?」を付け加えて
「ここが正直村ですかと尋ねたら、あなたは「はい」と答えますか?」と質問する。
これを
正直村で正直者に尋ねると 真偽は 真、答えるべき返事は はい、返事は はい
正直村で嘘つきに尋ねると 真偽は 真、答えるべき返事は いいえ、返事は はい
嘘つき村で正直者に尋ねると真偽は 偽、答えるべき返事は いいえ、返事は いいえ
嘘つき村で嘘つきに尋ねると真偽は 偽、答えるべき返事は はい、返事は いいえ
となる。つまり、返事のはい、いいえで質問Qの真偽が判定できるのである。実質的な思考判断を二重にする事により、二重否定と同様の効果を生み出している。
 

第3問   天国への道の解答  「右が天国への道ですか、と尋ねたら、あなたはYESと答えますか?」(YESなら右、NOなら左)
 
第2問で述べた,ある質問Qに対して真実を答えさせる手法の出番である。詳しい説明は不要であろう。
[それが正しい場合]
正直な番人の答え  YES
嘘つきの番人の答え YES (質問自体は正しいので、本来はNOと答える。それをYESと答えますかと尋ねられているのだから、正しい
答えはNO、だから嘘をついてYESとなる。)
[誤っている場合]
正直な番人の答え  NO
嘘つきの番人の答え NO
 

第4問   天使と悪魔と人間との解答
 

この場合質問の形式が決められているので、上で述べたような方法は使えない。どちらか分からない(答からは何も得られない)人間の登場が事態を複雑にしているようであるが、実は「あなたは人間ですか」という問いに関しては天使と悪魔、両者の答えが異なる(天使はno、悪魔はyes) という点がポイントとなる。この両者の答えは確定しているので
A,Bに対して「あなたは人間ですか」と質問する。答えの可能性は、順序を別にすれば
① yes , yes ② yes , no ③ no , no
の何れかしかない。(②の場合、yesと答えた方をAと考える。)
①の場合 天使が、この質問に対し、yesと答える事はないから、A,Bは悪魔と人間のペアである。従って必然的にCが天使となる。よって、三 番目の質問はCに対して「Aは悪魔ですか?」とすれば良い。この回答は真実であり、yesであればAが悪魔、Bが人間、noであればその逆となり、三回の質問で特定できる。
③の場合 これも①と似たり寄ったりで、悪魔がこの質問に対しnoと答える事はない。従ってA,Bは天使と人間のペアである。するとCが悪魔 ということになり、Cに対して「Aは天使ですか?」とすれば良い。この回答は嘘であるから、yesであればAが人間、Bが天使、noであればその逆となる。この場合も三回の質問で特定できる。
②の場合 Cに対しても同じ質問をする、つまりCに「あなたは人間ですか」と質問する。この回答がyesなら①に帰着、つまりBが天使、この回答がnoなら③に帰着、つまりAが悪魔、と確定するので、あと一回の質問で特定できる。
 

第5問   三柱の神の解答
 
真実を述べる神、嘘をつく神、ランダムな神という言い方は面倒なので、第4問の設定を借りて、其々天使タイプ、悪魔タイプ、人間タイプと呼ぶ事にする。

さてある質問Qに対して真実を答えさせる手法の出番であることは容易に想像がつく。しかし、質問が三回しか許されないので、幾つかの質問でja,daの意味を特定し…というアプローチは失敗に終わる。そこで、それをあきらめて次の質問を考える。
「質問Qに対しあなたは、ja と答えますか?」
天使タイプと悪魔タイプに関し、この答がどうなるかを考察する。
1.ja = yes の場合
基本的には今までの場合と同じであるから
Qが真であれば答はja、偽であれば答はda となる。天使タイプも悪魔タイプも同じである。
2.ja = no の場合
Qが真の場合  天使タイプの答はyes(da)、jaと答えるかの問いの答えはno(ja)
悪魔タイプの答はno(ja)、jaと答えるかの問いの答えは本来yes、反転してno(ja)
Qが偽の場合  天使タイプの答はno(ja)、jaと答えるかの問いの答えはyes(da)
悪魔タイプの答はyes(da)、jaと答えるかの問いの答えは本来no、反転してyes(da)
つまり ja,da の意味に関係なく、天使タイプか悪魔タイプかにも関係なく
Qが真  答えは ja
Qが偽  答えは da
という結論が得られる。ここまで来れば、解答は難しくない。
まずは、人間タイプ(人間タイプ以外)を確定させる。
1.Aに対して    「Bは人間タイプですか、ときかれたら貴方は ja と答えますか?」
この答が ja の場合、Aが人間タイプ以外ならば真実であり、Bは人間タイプである。Aが人間タイプならばそうとは限らないが、この場合人間タイプはAであるから、何れにしろ人間タイプの可能性のあるのはA,Bであり、Cは人間タイプではない。
この答が da の場合、Aが人間タイプ以外ならば虚偽であり、Bは人間タイプではない。Aが人間タイプならばそうとは限らないが、この場合人間タイプはAである。したがって、人間タイプの可能性のあるのはA,Cであり、Bは人間タイプではない。
あとの二つの質問は、人間タイプではないと特定されたB又はCに対して行う。これをXとし、XとA以外をYとする。
2.Xに対し 「貴方は天使タイプですか、ときかれたら貴方は ja と答えますか?」
この答が ja であれば、これは真であるから、Xは天使タイプ
この答が da であれば、これは偽であるから、Xは悪魔タイプ
3.Xに対し 「Aは人間タイプですか、ときかれたら貴方は ja と答えますか?」
この答が ja であれば、Aが人間タイプ
この答が da であれば、Aは人間タイプではなく、Yが人間タイプ
以上で完全に特定される。