2015年9月16日
土地家屋調査士という仕事をしていると、例えば新築建物の新築年月日を確定したり、あるいは個人的に孫の七五三をいつにしようかと考えたり ――最近はほとんど気にしないという人も増えているようだが―― 時々カレンダーをめくって、その日の「六曜」をチェックしたりする。いわゆる先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口というものだが、現在でもほとんどのカレンダーには、この情報が記載されている。
しかし、通常は連続している六曜が時々不連続になっている事に以前から気がついていた。当然この不連続性にも何らかの規則があるに違いないとは思いつつ、中々それを調べてみる気にもなれなかった。正確に言うと、それを調べ始めると色々な話が出てきて途中で放り出していたというのが正解かもしれない。
今回は珍しく(?)ある程度まとまるところまで、調べる事ができたので、その結果をここにまとめておく事にする。
(知識不足、あるいは思い込み等から不正確もしくは誤った記述があるかもしれません。その点についてはご了承ください。)
また、仕事柄「真北測量」というものを依頼される事がある。真北とは、観測地点を通る子午線の北の方向のことである。一般的な磁石の指す、いわゆる磁北とは数度傾いているのが普通であるが、最近は、「街区基準点」と呼ばれる公共座標値を有する点が全国各地に配置されており、それを使えば(測量すれば)、いわゆる座標の北方向がわかり、緯度経度がわかるので、それらを使って子午線収差角というものを計算すれば、精度よく真北を決定する事ができる。しかし、そのような社会的インフラが整備される前は、太陽等の天体を観測する事により真北を求めることも多かった。
このような計算には、太陽の赤緯、赤経、均時差などの量が必要で、われわれにとって天体位置表とか理科年表は手放せないものだった。その頃、多少精度を犠牲にしてもという前提で、それらの要素を自分で計算するプログラムを作ったこともある。この計算は、例えば太陽の位置計算を行うことになるが、それらは実は、旧暦の作成に大きく関係している。前述の六曜も、実は旧暦の日付から簡単に計算される。
各種の計算方法についても、ある程度述べる予定である。
(六曜というといかにも古めかしい印象を持つが、現在われわれがふつうに使っている曜日、いわゆる七曜も負けず劣らず古い歴史を持っている。週、曜日の概念は古代バビロニアで生まれたとされているが、日本には、唐に留学していた僧たちが持ち帰った密教経典によってもたらされたと考えられており、朝廷が発行する暦にも曜日が記載されるようになったという。この七曜も当時は吉凶判断の道具として使われてきた。)
以下の内容は次のとおりである。
1.暦の種類
2.旧暦の基礎知識
3.太陰暦の構成
4.定気法
5.六曜、干支、九星
6.朔日等の計算 その1(準備)
7.朔日等の計算 その2 (天体の位置の表し方(概略の説明))
8.二十四節気を求める 及び Utility
以下の文献、ウェブページ等を参考にさせていただきました。
参考書籍等
1) 天体の位置計算 長沢 工 著/地人書館
2) 天体の位置計算式 海上保安庁海洋情報部
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/syoshi/furoku/na16-rei.pdf
3) 星が好きな人のための新着情報 http://news.local-group.jp/
4) 暦と天文の雑学・目次 あるいは、こよみのよもやま話
http://koyomi8.com/reki_doc.htm#mokuji
5) 旧暦の仕組み http://homepage2.nifty.com/o-tajima/rekidaso/calendar.htm
6) 二十四節気の略算式 http://www.h3.dion.ne.jp/~sakatsu/sekki24_topic.htm
7) sorae.Jp 月齢の計算 http://www.sorae.jp/0239/973.html
8) 小物の戯言-略歴雑記 日家九星の計算方法
http://d.hatena.ne.jp/nobml/20121231/1356881216
9) こよみの読みかた
http://www4.cty-net.ne.jp/~mie/rekishi-shiseki/mukashinochie/08koyomi/body.html